よくある質問とその答え

山岳医療についてお答えします

下記以外の山岳医療についてのご質問は、お問い合わせページよりお問い合わせください。

Q1.山岳医療ってなに?

山岳医療とは山で起こりうる体の変化や疾病、怪我について研究し、より安全で楽しい登山や遠征、冒険、適切なレスキューに役に立てようとするものです。一般の医療とちがい、山岳医療は、データの集積に限界があること、個体差があることから、学問自体の発展に相当の努力と時間を要します。

このため山岳医療は経験論により支えられてきた歴史があります。諸外国では長い年月の間、データが少しづつ集積され、経験論を加味しながらも、根拠や過去の実例に基づいたガイドラインやコンセンサス(一定の見解)が確立して来ており、適時改訂もされています。

このように山岳医療は、様々な環境を背景に発展を続けている学問です。また、人間が極限状態でおこる生体変化や病気の研究も行っており、特殊な山岳環境での病気のメカニズムが、一般的な病気のメカニズムの解明にも役立っています。

Q2.国際山岳医はどんな事を知ってるの?

国際山岳医とは、山と言う環境で起こりうる特殊な疾患や病気について論理的で実践的な知識を習得し、対処できる医師の事です。また、病気だけでなく、山岳環境で起こりうる生理的な体の変化の理解も行っています。特殊な環境の問題点、そこで陥りうる病気や怪我、その山域にたどりつくまでの旅行・渡航医学、これらを評価し、起こりうる病気や怪我に対する予防や治療のトレーニング受けた医師のことです。さらに山岳地帯でのサバイバルやレスキュー技術も習得しています。

Q3.国際山岳医は何をするの?

諸外国では

  • 遠征隊・一般登山者・レスキューチーム・山岳ガイドなどに対するアドバイス
  • ツアー会社等の企画・計画・参加予定者へのアドバイスやコンサルタント
  • 登山者の健康状態の評価
  • 遠征への帯同
  • 事故の医療的検証
  • 山岳地帯での診療
  • ヘリコプターレスキュー同行

などを行っています。

Q4.日本に山岳医制度はないの?

昨年5月より日本登山医学会により、ヨーロッパと同じ資格制度が始まりました。ヨーロッパ発祥の資格ですが、カリキュラムは世界水準を維持し、日本の風土に合うように熟考されています。優れた指導医師のもと、開始されました。日本の山岳医療と山岳活動の安全の大きな一歩が始まりました。

Q5.海外のガイドラインをそのまま持ってきてもいいの?

とてもいいご指摘をよく耳にします。その通りで、日本の風土は海外と違いますし、日本人の体質も違います。では一般的な医療はどうでしょうか。海外は治験も進んでいますし、大規模な試験でデータ集積をしています。人種の違いはありますが、これらを受け入れながら日本に取り入れているものが実は多いのです。山岳医療も同様に、世界である程度認められているコンセンサス(一定の見解)、ガイドラインをまず理解し、必要な形で取り入れていく必要があると思います。世界の考え方を知った上で取捨選択するのと、知らないのとでは大きな違いになります。