日本の山岳遭難死因第3位は心臓死!
登山前の検診をおすすめします
大城らが実施した調査※では、日本の山岳遭難死因第3位は心臓死。しかも、半数は救助隊が1時間以内に到着しているにも関わらず、生存していた割合は、1.4%と非常に低いのが特徴です。
心臓発作は分単位で進行し、山岳地で心停止を起こすと救命が非常に困難です。予防が非常に重要です。登山者検診では、特に心臓死のリスクを減らすことに力を入れています。
病気や症状の無い人には潜在するリスク、病気がある方や薬を内服している方には現存するリスク、これらを評価し、登山中のリスクを減らす為のアドバイスや必要な治療を行なっていきます。
※Causes of death and characteristics of non-survivors rescued during recreational mountain activities in Japan between 2011 and 2015: a retrospective analysis.
Oshiro K, Murakami T. BMJ Open. 2022 Feb 3;12(2):e053935.
doi: 10.1136/bmjopen-2021-053935. PMID: 35115353
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検診内容
- 血圧管理、その重要性の指導
- 心臓病のスクリーニング
- 心筋梗塞(突然死の原因)のリスク評価
- 肺機能
- 運動負荷による心肺機能
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こんな方にお勧め
- 登山、トレッキング、ハイキングなどに行かれる方
- 40歳以上で心臓病の検査をしたことの無い方
- 登山前に心臓検査をご希望の方
- 高血圧の薬を飲んでいる方
- 血糖が高いと言われた方
- タバコを吸っている方
- 持病のある方
- 高所(2500m以上)・遠征へ出かける方
- 山岳地の大会出場に際して健康診断を必要とする方
- 職業で山岳活動に関わる方
- アルパインツアーサービス(株)、(株)ウェック・トレック、ヒマラヤ観光開発(株)の3社と提携して3社の企画する3800m以上への登山を予定されている方(日本登山医学会提携登山者検診ネットワーク対応検診)
直接各病院へお電話、またはおフォームからお問合せ・お申込をお願いします。
実施詳細
コース |
札幌孝仁会記念病院(旧 北海道大野記念病院) |
日本大学病院 |
必須検査項目 |
1. 血液検査 |
○ |
○ |
2. 心電図 |
○ |
○ |
3. 心エコー |
○ |
○ |
4. 心肺運動負荷試験 |
○ |
○ |
5. 肺機能 |
○ |
(感染対策で現在中止) |
6. 自宅での血圧測定 |
○ |
○ |
7. 胸部レントゲン |
○ |
○ |
8. 結果説明 |
○ |
○ |
オプション項目 |
胸部CT |
○ |
○ |
冠動脈CT |
○ |
○ |
心臓MRI |
○ |
○ |
心筋シンチ |
○ |
○ |
アンモニアPET |
○ |
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大動脈エコー |
○ |
○ |
動脈エコー(頚, 腎, 下肢) |
○ |
○ |
ホルター心電図 |
○ |
○ |
睡眠時無呼吸検査 |
○ |
○ |
- ※ともに日本登山医学会提携登山者検診ネットワーク対応検診です。
直接各病院へお電話、またはおフォームからお問合せ・お申込をお願いします。
検査項目詳細
必須検査項目
コース |
内容 |
1. 血液・尿検査 |
心筋梗塞の危険度の評価 |
2. 心電図 |
心臓病のスクリーニング検査 |
3. 心エコー |
心臓病のスクリーニング検査 |
4. 運動負荷検査&最大酸素摂取量(VO2) |
隠れた心臓病を探す:心臓の病気は安静時に検査をしても発見できない事が多いため、運動による負荷をかけ、脈や血圧の反応、潜在している心臓の病気(狭心症など)を検査します。最大酸素摂取量(VO2)の測定:酸素をどのくらい取り込めるのかを測定します。 これは、持久力を反映します。 また、どの程度の運動ペースで乳酸がたまるかを調べます。 これにより、バテない登山のペースの確認やトレーニング目標の設定ができます。 当院では2名の心臓リハビリテーション指導士による専門的な診断とアドバイスを行っています。 |
5. 肺機能 |
肺活量の検査です。年齢、体格相当であるのかを調べます。 喫煙歴があれば肺機能の低下が予測されます。 |
6. 自宅での血圧測定 |
高血圧は登山中の心臓に、負担の大きな要素です。 これは日頃の血圧管理が重要になります。 |
7. 胸部レントゲン検査 |
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8. 結果説明 |
検査結果を判定のうえ、当日ご説明します。 |
- ※オプション項目(別途費用が必要ですが、保険適応になることもあります)
オプション項目
別途費用が必要ですが、保険適応になることもあります
コース |
内容 |
胸部CT |
肺の疾患や、心臓や血管の疾患、動脈硬化の程度を検知することができます。 |
冠動脈CT |
冠動脈が狭くなったり詰まると狭心症や心筋梗塞を引き起こします。静脈から造影剤(薬剤)を注射して冠動脈を描出する検査です。短時間の検査が可能で、入院の必要がありません。 |
心臓MRI |
心臓の動きや心臓の筋肉の炎症を解析します。造影剤を使用すれば、心臓組織内の変化やダメージ(心筋梗塞や心筋症)の部位や範囲、重症度を検出できます。 |
心筋シンチ |
心臓の筋肉へ流れる血液の量や心筋の機能を、静脈から注射した検査薬(注射)を利用し画像化する検査です。心臓に負担をかけた状態(負荷)と通常の状態(安静)の二回検査を行い、それらの画像の差を見て心筋の機能を評価し、主に狭心症の検索を行います。 |
アンモニアPET |
静脈から検査薬を注射し、心臓の筋肉に流れる血液量の数値化が可能なため、心臓の状態を正確に把握することができ、狭心症の検索、心筋血流予備能の評価などが行えます。 |
大動脈超音波 |
超音波検査は無侵襲であり、大動脈疾患(動脈解離、動脈瘤)のスクリーニングが行えます。 |
動脈超音波(頚、腎、下肢) |
頚、腎、下肢動脈の狭窄を評価します。 |
ホルター心電図 |
小型の心拍を記録する装置を24時間身につけて、実生活の中で発生する不整脈や狭心症発作などを検出します。 |
夜間睡眠検査 |
睡眠時無呼吸症候群は、自律神経を過剰に活性化させ、高血圧を起こし、心筋梗塞のリスクが高まります。睡眠中の無呼吸の程度を検出します。自宅で可能な簡易検査と、入院(一晩)での精密検査があります。 |
実施施設 |
・札幌孝仁会記念病院(旧 札幌孝仁会記念病院) ※原則毎月第2日ですが山行計画に応じて対応させて頂きます。 ・日本大学病院 ※原則毎月第3水曜日ですが山行計画に応じて対応させて頂きます。 いずれも予約制となります。 詳しくはアクセス・ご予約についてをご確認ください。 (学会等で日程変更の場合も御座いますので、病院に直接お電話でお問合せください。 |
担当医師 |
大城 和恵 UIAA(国際山岳連盟)・IKAR(国際山岳救助協議会)・ISMM(国際登山医学会)認定 日本初の国際山岳医(Diploma in Mountain Medicine) 詳しくはプロフィールをご確認ください。 |
直接各病院へお電話、またはおフォームからお問合せ・お申込をお願いします。