簡易低体温症ラッピング
ここは、「持っている装備で行う方法」を説明します.
道警式低体温症ラッピングは、北海道の厳冬期に通用する装備で行っています。
これはスタンダートではありますが、北海道でも、時期により、また先行した隊の限られた装備であれば、簡易の低体温症ラッピングを行うことがあります。
「道警式低体温症ラッピングによる熱喪失抑制効果と山岳救助における病院前有効事例: 大城和恵, 村上富一, 西村和隆. 登山医学 vol.35: 48-54;2015」
本論文では、一般登山者が平素携行し得る装備でも検証しています。
簡易でも"科学"が必要
・ラッピングの原理は「隔離・保温・加温」です。
・効果的なラッピングは「密閉性」です。
(詳細はこちら)
持っている装備で行う方法
この原則を活かして、
隔離:ブルーシート → ツエルト, レスキューシート
保温:寝袋一つ、毛布、ダウンジャケット
加温:プラティパス → ペットボトル(四角柱が好ましい。) 詳細はこちら
そして、しっかり密閉すること(換気口は開けておく)です。
大事なことは、持っているもので、「隔離・保温・加温」を行い、きちんと「密閉」することです。
搬送は?
簡易ラッピングのまま引きずって搬送しようとすると、ツエルトによる梱包が破綻したり、ツエルトが破損し、長い搬送は困難です。どうしても移動が必要な場合は、ラッピング用のツエルトの外側に、搬送用のもう一枚のツエルトでくるんで用います。
ツエルトを用いた搬送は、短距離の移動を目的とするのが良いでしょう。
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